2011年10月07日
文教厚生常任委員会の視察
10月5日は、名古屋からバスで2時間かけて長野県飯田市へ。
飯田市の「公民館活動」について勉強してきました。
2008年から、公民館について、社会教育機関としての位置づけを残しながら、地域自治組織の基盤となる住民組織「まちづくり委員会」の一委員会として位置づけました。
公民館の4つの活動の特色は「文化、体育、広報などの専門委員会制度」「地域密着型に公民館を配置」「地区公民館を支える分館制度」「住民主体の事業展開」だそうです。
おおむね小学校単位ごとにある21の公民館の下に、おおむね町内ごとに105の分館があり、自主的な活動が数多く行われているそうです。
乳幼児教育支援事業、家庭教育支援事業、多文化共生事業、地域芸術文化振興事業、学習交流推進事業、強度学習支援事業、健康学習推進事業、環境学習支援事業などなど・・・。
たいへん素晴らし取り組みでしたが、お話によると、戦前から綴り方教育などが盛んで、もともと自ら考え行動する力が飯田市のみなさんにはあるようで、敦賀市では、まずそこから始めないと前に進まないのでは?と感じた視察でした。
その後、飯田市からバスで4時間かけて東京へ・・・しんどかったです
10月6日は、三鷹市で「小中一貫教育」について勉強してきました。
三鷹市の小中一貫教育は、現行制度の中で、既存の小学校、中学校を存続させたまま、コミュニティスクールを基盤として、学校と家庭と地域が当事者としてともに手を携え、義務教育の9年間を通して、子どもたちの「人間力」「社会力」を育てている、とのこと。
コミュニティスクールとは、学校運営協議会を設置している学校のことで、中学校区を単位としたコミュニティスクールごとに、学校、保護者、同窓会、住民協議会、民生児童委員、学識経験者、アドバイザー、青少対、交通対などで構成するコミュニティスクール委員会があり、学校運営への参画を初め教育支援等行っています。
コミュニティスクールでは中学校区毎に学園名をつけてて、例えば敦賀で作るとすると、あわの学園粟野中学校、あわの学園粟野小学校、あわの学園黒河小学校、あわの学園粟野南小学校って感じ?
学園内の小学校、中学校で教員の相互乗り入れ授業や生徒同士の交流を作ることで、小学生が中学校生活への見通しと安心感、期待を持って進学することができるため(中1ギャップが減少)、不登校の減少にもつながり、学力の向上にもつながっているとか。
以前も、小中一貫教育について他の自治体で勉強しましたが、この三鷹市は「コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育」で、ひと味もふた味も違う…!
二つの中学校へ別れて入学しなければならない小学校がある敦賀市で、三鷹市のような、全市で小中一貫を実現することは困難で残念ですが、視察で感じたことは、三鷹市は教育のビジョンをしっかりもっているということ。
敦賀市はまずそこから始めなくてはならないのでは?…と思いました。
三鷹市の視察を終え、千代田区にあり、東京23区、千葉、神奈川などで「病児保育」を実施しているNPO法人フローレンスへ。
フローレンスでは、100名のスタッフ(うち保育は40名)で、病児保育を行っています。
共済型の月会費制で、月会費は、子どもの年齢や病児保育の利用実績に応じて、3ヶ月に一度見直しを行うとのこと。
利用がない人で月5,000円台、利用が多い人で月20,000円台の会費だそうです。
子どもが病気になったらメールで申し込み、利用者の身近にいるスタッフがかけつけ、利用者の自宅で1対1の家庭保育を行うとのこと。
以前、視察に行った四日市市の病児保育は、病院が独自で併設し、衛生面など完備した保育室で、採算度外視で行われていたので、このようなやり方があるのか…と驚きました。
次に、歩いて「ヤンセン」へ。
統合失調症や発達障害の薬を作っている会社で、発達障害のバーチャル体験ができるパソコンソフトを作っています。
私は、以前、ヤンセンの統合失調症のバーチャル体験をさせて頂いていたので、その話をすると、その場でみなさんにも統合失調症の体験をさせてもらうことができました。
パソコンの中ですが疑似体験することで、発達障害の方(子ども)や統合失調症の方のつらさを少しでも理解することができるので、多くの方に体験してもらって、苦しみ、つらさを理解できる人をひろげていければ…と思いました。
10月7日は、朝食抜きで朝7時にホテルを出発し(ホテルの朝食が7時からだったので…)、北名古屋市へ。
そこで、「認知症に対する取り組み」について勉強しました。
北名古屋市では、認知症の見守りとして「おたがいさまねっと」を実施しています。
ステッカーを市内のいたるところ(個人の家や会社、公共施設)にはり、認知症への理解を深めると共に、「おたがいさまねっと」に登録してもらい、高齢者への声かけや見守りを行う事業です。
更に、「おたがいさまねっとメール登録会員」も展開し、敦賀市のトンボメールみたいなものですが、迷い人の捜査情報や認知症に関する情報、研修会・講習会についてもメールで送信されるとのこと。
平成19年からは認知症の徘徊捜査模擬訓練を行っているため、普段から高齢者への見守りが定着し、徘徊している高齢者の市民通報数が増えているとのこと。
以前、先進地の大牟田市でも徘徊捜査模擬訓練について勉強しましたが、模擬訓練の必要性を強く感じました。
少し早めに視察が終わったので、北名古屋市で認知症予防に素晴らしい効果をあげていて全国的に注目されているという「回想法」についても勉強させて頂きました。
回想法とは、昔懐かしい生活用具などを用いて、かつて経験したことを楽しみながら皆で語り合うことによって、脳を活性化させ、気持ち(心)を元気にする心理・社会的アプローチのこと。
北名古屋市では、この回想法を「思い出ふれあい事業」として、介護予防、認知症予防を目的に保健福祉の地域ケアに位置付け実施しています。
ぜひ、敦賀市でも、このような回想法を実施すべきだと思いました。
ちなみに、NPO法人で、昭和日常博物館の品物を全国に貸し出すこともしていて、「オールウェイズ3丁目の夕日」にも協力していて映画のエンディングロールに名前が小さく出ているとか。
ちなみに、三国の昭和倉庫にも昭和時代の懐かしい品物が所狭しと並べられていて、その話しをすると北名古屋市の学芸員さん「親しくさせてもらっています」とのことでした…びっくり
最後に、一宮市へ行って、「発達障害児童の支援及び指導」について勉強してきました。
市独自で手引き書を作り、市内の全教員に発達障害児の支援についての勉強会をするなど、発達障害の子どもを含めた教育のビジョンをしっかりもっていることに驚きました。
敦賀に帰ってきたのが夕方5時半…今回、かなりハードな視察でしたが、内容がたいへん充実していて、有意義なものとなりました。
ぜひ、敦賀市でも、実現できるところから求めて行きたいと思います。