30日は福井県の市町議会議員の合同研修会でした。
福井県内の市や町の議員が福井市の自治会館に勢揃い



まず最初に、拓殖大学地方自治センターの竹下譲さんの「地方議会の改革と活性化」。

「議会は何もしていない」「議員は何をしているんだ」と感じている市民は多いが、多くの議員は、議会に問題があるとは思っていない。
「少なくとも、私には問題がない」「私は、仕事(議会活動、研修、自治会、イベント、広報…)をして頑張っている」「問題があるとしたら、あの議員だ」と思っている議員は多い。
確かに議会は法律で定められた仕事はちゃんとしている。
予算の決定、決算の認定、条例の制定、副市長選任の同意、意見書の提出、陳情・請願の受理・審査などなど…。
でも、議員は「職員」とは違う。
決められた仕事をしても、地位は保証されない、住民の支持が必要。
住民に批判されないためには、議会の活動を住民に理解・評価してもらう必要がある。
でも、住民が見る議会は、議員は行政に質問するだけ、先生に教わっている生徒のように納得してる。
賛成・反対がそっぽむいた討論をして、採決ではほとんど可決。
そして…「議員を減らせ!」「議員報酬を減らせ!」「議会はいらない」と住民は批判する。
でも、議会は住民にとって絶対に必要。
戦時中、地方議会は政府にとって抵抗勢力だった。
そこで、政府は、言いなりになる議会にするため、政府の言うことを聞く人を議員に推薦させる翼賛選挙(推薦)に変え、その結果、国民総動員へ…。
地方議会は、政府の言いなりにならず、住民を守る立場にならなくてはならない。
議会を軽視、無視する住民の傾向を変えることができるのは議員、議会だけ。
そのため、審議の内容を住民に理解出来るように変える。
拝むだけの議会基本条例でなく、住民が満足できる内容を盛り込み、実現する必要がある。
住民の意向を反映するためには住民の意見を聴く必要がある。
そのために、議案を事前に配布する。
議会を見ていても分かりやすい質疑をし、議場で住民の意見を披露する。
委員会での議論も活発におこない、時には「否決」も…。
決算審議は非常に重要で、ムダな施策を出し、廃止を求める。
一般質問の後、重要なものについては議会として執行機関に要請する。
このように改革すれば、住民が評価するようになるのでは?
…などなど。
講演の内容は、すべてとは言いませんが、共感できる内容が多かったです。
おりしも、11月には、決算議会と議会報告会があります。
住民に理解してもらえるようなものにしていかなくては


もう一つは政治アナリストの伊藤惇夫さんの「これからの日本の政治」。

1973年、自民党本部に勤務し、1994年に退職。
1995年、新進党事務局に勤務し、1996年に退職。
太陽党を結成して事務局長に。
1998年に民主党を結成して事務局長に。
でも、2001年、民主党を離党…という職歴の方。
自民党、民主党、維新の会などなど…おもしろおかしく斬ってましたが、日本共産党についてはほとんどふれず。
小選挙区制をつくるのに関わったそうですが…「今では後悔している」と。
小選挙区制は二大政党制を前提にしたもの。
イギリスをお手本にしたが、イギリスでも二大政党制が崩れてきている。
二大政党制でなく、複数軸政党制の方が良かった。
今の日本では野党が非力、軸になる野党がない。
暴走する自民党の抑止力になる野党が必要。
…などなど。
たしかに、日本共産党が大きく前進したとはいえ、数の力では小さいですね…

それにしても、中選挙区制や比例代表制であれば、日本共産党は今の得票数でもっと多くの議席が得られ、消費税増税、憲法改悪、TPP参加などなど自民党の暴走をくい止めることができたのに…。
それなのに、小選挙区制を作った方が、「小選挙区制にしなきゃよかった」「良く分かってなかった」等々…よくも言ってくれたもんだ


なんて無責任


だったら、さっさと元に戻せよ〜


…と、腹立たしく思いました。