2014年10月20日
介護の市民公開講座
医師会主催の市民公開講座「よりよい在宅介護を目指して」があり、町内の福祉委員さんと参加しました。
寸劇「松尾芭蕉に学ぶ認知症予防術〜芭蕉は認知症専門医だった?〜」は、松尾芭蕉ふんする医者(と言うより、しっかりした看護師?)が、認知症の三パターンの患者をみたてて治療するというもの。
一つは「前頭側頭葉変性症」で、症状は主に性格が変わるそうです。
認知症を見分ける術は、「グーチョキパー」の術。
同じ行動を続けてできない、左右入れ変えてできない、怒りやすい等々。
もう一つは「レビー小体病」で、転びやすい、体が硬くなる、幻覚が見えるなどです。
そして三つ目が「アルツハイマー型認知症」で、物忘れ、時間の感覚がわからないなどです。
見分ける術は「模倣の術」。
物まね、カードの裏の文字を覚えているか?…等々。
認知症には、生活習慣を整えることが大事だそうです。
散歩に行く、良く噛んで食べる、ものを書く(日記、俳句など)、外に出て日に当たる、夜によく寝る。
寸劇の最後に、若狭町で認知症サポーター養成講座を学校で実施したときの子どもたちの感想が紹介されました。
若狭町では、子どもたちの2人に1人が受講しているそうです。
私も、議会の一般質問で、「認知症サポーター養成講座を小中学校やふれあいサロン、老人会、町内会などで実施すべき」と求めました(2010年6月議会)。
認知症は早期発見早期治療が必要だし、まわりの人の、理解した上での適切な対応が求められます。
敦賀でも、多くの人に「認知症サポーター養成講座」を受けて欲しいと思いました。
小川敬之九州保健福祉大学教授の講演「認知症の本当の理解」は、これまで関わってこられたケースをいくつか紹介しながら説明されました。
その人が積み上げてきた考え、くせ、ほこりなどを大切にする。
相手の為に良いことをしようとしても、相手に通じなかったらただの雑音でしかない。
その人の生活史を整理すると、問題行動の解決のきっかけにつながる。
うまくいかない場合、せかして強引にやらせようとすると、自尊心が傷つき、混乱し、抵抗する。
そんな時は仕切り直しをし、再スタートを切る。
そして、合いの手で誘導するようにする。
体を動かす、やる気にさせるスイッチは別にある。
多くの方に聞いていただきたいお話で、具体的で分かりやすくて勉強になりました。
市民公開講座は12回目とのことでしたが、私が参加するのは、もしかして初めてかも…(^_^;)
他の予定をキャンセルして行ったのですが、行って良かったです。
認知症になると、まわりが見るのはその人でなくなり、「認知症の人」になってしまうが、1人1人、自分史があり、1人1人違うパーツでできている。
その人の安らぎ、喜びに目を向けるべき…等々。
自分らしく生きるということについて、2000人の村でデリバリー作業の取り組みを行った事例が紹介されましたが、とても興味深かったです。
要介護の方がしゃもじを磨く作業で収入を得ることで、3ヶ月後には問題行動がなくなり、症状が良くなり、家族の世話の必要も減り、見通しが持てるようになったそうです。
モチベーションが上がり、そこへ行く意味ができる、それが必要とのこと。