社保協の社会保障学校がzoomで開催され、
三密防止のため、敦賀では2会場で視聴しました。
石川康宏神戸女学院大学教授の
「コロナ後の社会を切り開く」は、
大変わかりやすく勉強になりました。
コロナ禍で、最貧困層が世界的に急増しているが、
富裕層の資産は急増。
お金が有り余っている富裕層は
マネーゲームにより巨額の富を増やし続けている。
アメリカでは、貧困格差が大きいのはおかしい、と
市民運動がおこり、政権交代。
バイデン政権は、
富裕層の株売却益への税率を2倍にし、
教育や子育てを柱とする成長戦略の財源に。
新自由主義からの脱却を求める声が
世界中で高まっている。
新自由主義に「新」がつくのは
その前に「自由主義」があったから。
絶対王制の時代、企業経営者が出てきたが、
王が、経済活動の自由や市民運動を抑えていたため、
自由を求める運動がおこった。←自由主義
その後、スターリン、ヒットラーなどによって
経済活動の自由等、抑えられていたが、
戦後、規制のない自由な市場経済(競争市場)を
求める声が上がった。←新自由主義
当時は、社会保障を求める声の方が大きく
あまり社会に受け入れられなかったが、
1980年代になり、アメリカはレーガン、
イギリスはサッチャー、日本は中曽根らにより
新自由主義が強められた。
そして、社会保障や福祉、教育が削られていった。
ところが、コロナ禍の中、新自由主義では、
命は守れないことに多くの人が気付いた。
この間、野党系候補が連続して勝利しているのも、
それによるもの。
今度の総選挙は、命を守る政治を取り戻す選挙。
幸福度ランキング、ジェンダーギャップ指数、
1人あたりのGDPなど、
各種指標で北欧諸国がトップ。
日本は幸福度ランキングは、21年度、第56位、
ジェンダーギャップ指数は、21年度、第120位、
1人あたりのGDPは、
2000年には第2位だったのに、2020年には第23位に。
デンマークは、上限週37時間労働、最低賃金1800円。
労働組合組織率67.2%。
年休6週間、男性育児取得70%、医療・介護は無料、
学費は大学まで無料の上、奨学金・子ども手当支給。
消費電力の40%は風力、
生産力の質の転換で、CO2を削減し、GDPも向上。
医師や看護師、介護士などすべて公務員のため、
労働者のうち3割は公務員。 ←日本はわずか6%
日本では、公務を担う人が少なすぎ、
多くが民間に委託されているため、
自己責任が安易に押しつけらる結果となっている。
政治を変える努力が必要。
デンマークでは、現在の首相は42才の女性で、
閣僚も半数以上が女性。
しかも、子育て中の若い女性も。
日本国憲法には、
人権、社会権、平等権、自由権など
多くの権利が記されているけど、
日本人の意識の中にはあまり根付いていない。
それは、かつて、大日本帝国憲法主権では、
主権は天皇にあり、国民は臣民(家来)。
家父長制、男尊女卑で抑圧されていた。
戦後、GHQが下書きをし、
国会で修正等されて日本国憲法が公布されたが
日本人が身を削って勝ち取った権利ではないため、
意識はそこまで成熟しておらず、追いついていない。
だが、デンマークも成熟するのに年数がかかっている。
デンマークでも、かつて、理不尽な社会だったが…
170年前、世界最古の自由主義憲法が制定。
日本はまだ日本国憲法になって70年であり、
これからの学習、市民運動によって
成熟させることはできる。
立憲主義を取り戻し、憲法に基づいた政治に
変えるためにも、総選挙は大事だと改めて思いました。