大阪社保協の議員研修2日目は、
生活保護と女性の貧困。
まず、午前中は、
「コロナ禍での困窮者のリアルと
生活保護制度に求められるものはなにか」
講師は、小林美穂子先生。
つくろい東京ファンド・カフェ潮の路の
コーディネーターさんです。
コロナ禍で
事務局のメールフォームにSOSが多数、寄せられ
今も続いている。
コロナ禍の影響を受けたのは、
ネットカフェ生活者、
日雇いやバイト、派遣などの不安定就労者、
接客業従事者(女性が多い)、
10代後半の若い年齢層、
携帯電話を止められ、
Wi-Fi環境でのみ外部とつながれる人など
コロナ前から雇用も居住環境も不安定だった人達。
生活保護の申請に対し、
違法な水際作戦、無知故の水際作戦が
今も行われている。
特に、扶養照会を水際に使う事例も多い。
年末年始の生活困窮者向けの相談会に来られた方々に
生活保護利用の阻害要因に関するアンケートを実施。
生活保護を利用していない理由に一番多かったのが
過去の行政の対応で、人としての尊厳を傷つけられ
二度と利用したくない、と。
また、利用したことがない人は、
扶養照会で家族に知られたくないから、と。
このように、扶養照会は、
生活困窮者にとって壁になっている。
扶養照会で、実際に援助に結びついた事例が少なく、
その現実を行政に突きつけると、
職員も、「本当はやりたくない」等々。
扶養照会は、誰のためにもなっていない。
扶養照会によって、
「虐待加害者だった父親に家に押し入られ
家具家電や保護費を奪われた」
「恥と罵られ縁が切られた」
「まわりに言いふらされた」
「仲が良かった親兄弟と気まずくなり
疎遠になってしまった」
「DV夫に住所を知られてしまい、
慌てて引っ越した。
あの恐怖は忘れられない」と。
また、扶養照会が送られてくる家族も
「自分たち家族を捨てた父の扶養照会が
送られてくるたびにフラッシュバックして
精神的に不安定になる」
「年老いた母親を助けられない自分を
責めてしまう」等々。
約150件もの悲痛な声が寄せられた。
そこで、「困窮者を生活保護から遠ざける
不要で有害な扶養照会をやめてください」署名を開始。
そして、生活保護手帳別冊問答集が改善された。
それでも、扶養照会をしたがる職員がいるので、
扶養照会の拒否の「申出書」、
扶養が期待できない状態を示す「添付シート」を作成。
それでも水際作戦をやってしまう職員がいる。
生活保護の申請に同行する場合は、
最後まで見届けて欲しい。
良心的な職員や若手職員の環境を整えるためにも、
違法行為や不適切行為に対して目をつぶらないで欲しい。
どんなに共感できない相手でも、
相談者の側にたって交渉して欲しい…等々。
つくろい東京ファンドは、
訪問看護、医療・福祉、住まい等々、
様々な団体がそれぞれの約割を果たし、
生活困窮者を支援しています。
敦賀でもぜひ、できないかと質問したところ、
ネットワークが大事、と。
たしかに、敦賀でも、子ども食堂はじめ
社保協の「おすそ分け市」などの食糧支援など
いろんな団体が動き始めています。
豊富ではないし、簡単ではありませんが、
今後、少しずつでも、そんな動きを繋ぐ
ネットワークづくりが必要だと強く感じました。
午後は、
「コロナ禍で深刻化する沖縄の若年ママたちの生活
〜二つの社会調査から」
講師は、琉球大学の上野陽子先生と
沖縄のシンママさんたちです。
昨年も生活保護の議員研修で勉強しましたが、
沖縄の子どもの貧困は全国一であり、深刻です。
長い間、アメリカの占領地であったこと、
今も米軍に占領されていること等々も原因の一つ。
若年出産も全国平均の2倍以上ですが、
今回、調査の中で、
こうした若いお母さんたちの多くが、
幼い頃から、親や親戚、兄弟から性的虐待を受け
中学卒業と同時に、中には小学生でも年齢を偽り
風俗店で働き、妊娠、出産をしている実態が
明らかに…。
実の母親に反抗したため、
報復レイプされそうになったとの事例も。
親だけでなく、学校の教師の無理解で
人生をあきらめたり、
母子寮の職員に傷つけられたり…
子どもの頃から、虫のようにつぶされ
地面の上でのたうちまわるようになるような
打撃を受けた人々は、
苦しすぎて、その苦しさを
語れないという苦しみがある、と。
必要なことは…
学校につないでおくこと←ピア(仲間)ができる
自尊心の向上以前に、トラウマケア
シェルターの創設…等々。
当事者の若いお母さん、二人が
実体験、現在の様子などお話ししてくれましたが、
とても生々しく、辛いお話しでした。
本来、守らなければならない大人が
自らの欲望で子どもを性的に傷つけ、
身体を傷つけ、精神的に傷つける…
モラルの欠如の一言で片づけられない
大きな問題です。
これは、沖縄だけの問題ではありません。
あまりに重すぎる問題ですが…
悩んでいる人にしっかり向き合って
寄り添った支援できるよう、
私にできることは何か、
敦賀市として必要なことは何か、
考えたいと思います。