2022年10月16日

日本母親大会2日目は田中優子さんの記念講演で学ぶ

日本母親大会の2日目は、全体会です。


今日も敦賀では、2つの会場にわかれて

視聴しました。


記念講演は、法政大学前総長の田中優子さん。


実は、田中さんを存知あげてなかったんですが、

六大学で初めて女性総長になった方だそうで、

テレビにも出られているとか…


初めてお話をお聞きしたけど、すばらしかった❗


江戸文化研究者だそうですが…

江戸時代は、共働きが当たり前。


夫婦別姓も当たり前だったそうで…


夫婦同姓になったのは、

1898(明治31)年の旧民法改定から。


それまでずっと夫婦別姓だったとは知らなかった💧


いろんな気づきがあり、元気をもらえた講演でした。


以下、簡単に内容をご紹介します。


   ☆    ☆    ☆


記念講演「自由を生きぬく実践知」

講師 田中優子法政大学名誉教授


元始、女性は太陽であった…平塚らいてふ


女性解放運動は平塚らいてふから始まった。


平塚らいてふが「青鞜」(初めて女性だけで作った

文芸誌)の創刊号に「元始、女性は太陽であった」と。


そして、「真の自由解放とは…偉大なる潜在能力を

十二分に発揮させること」。


女性が自由を生きぬくには、

競争社会を乗り越えなくてはならない。


でも、それは、男性になることではなく、

男性と競争することでもない。


一人一人が乗り越えていくこと。


相対的な「社会的自己肯定感」から、

自分自身で決断できる「基本的自己肯定感」へ

自分を変えて、

自分の力で生きていけるようになること。←奥が深い!


全ての人が自由に生きるのは難しいけれど、

実践しながら知性を磨くことが大切。


自民党の憲法草案と統一協会


憲法とは、その時代が理想とする社会像。


人間が目指すべき未来であり、普遍的価値がある。


ところが、自民党の憲法草案は、

天皇を元首にし国民の上におくもの。


現行憲法の前文は、世界の恒久平和をうたっているが

自民党の憲法草案の前文は、

「良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため」

とあり、憲法の存在理由は子孫を残すこと。


自民党は改憲について、自衛隊を明記する、

票の格差をなくす、緊急事態の対応を強化する、

教育環境の充実と4項目をあげているが、

その向こう側には、自民党の憲法草案がある。


現行憲法第24条(男女同権、個人の尊厳)は、

結婚は両性の合意「のみ」に基づいて…と、

当事者のみが決めることとされているが…


自民党の憲法草案は、「のみ」が削られ、

合意があれば良いことに。


合意さえあれば、親や宗教団体に従って

結婚することを認めるもの。


更に、「家族は社会の自然かつ基礎的な単位」を

1項に追加しようとしているが、

これは、統一協会も全く同じことを言っている。


統一協会の政治部門「国際勝共連合」のHPには、

憲法改正は必要、とし、

「家族は社会の自然かつ基礎的単位」とある。


家父長制、夫婦別姓は明治に入ってから…


自民党の憲法草案は、伝統を重んじ

家族を基盤に社会を作るものだが…


家父長的家族は伝統的ではなく、

明治5年の壬申戸籍から始まったもの。


政治を執り行っていた武士がいなくなり、

身分制度が解消された。


苗字は、10%の武士だけが持っていた。


そこで、全員戸籍を持たせることに。


家父長という権限を据え、全国民に浸透させた。


当時は、まだ夫婦別姓だった。


1898(明治31)年、ヨーロッパに合わせて

夫婦同性になった。


「夫婦同姓は日本の伝統」と言う人がいるが、

伝統は夫婦別姓。


伝統と言って、まるで当たり前のように言うが、

伝統という言葉に気をつけて!


自民党の憲法草案から消えるもの、変えられるもの


自民党の憲法草案は、個人という概念が消える。


現行憲法第19条(思想及び良心の自由)も、

「侵してはならない」が、自民党草案では、

「保障する」に変えられる。


現行憲法第12条(自由及び権利)も、

自民党草案は、自由や権利には責任と義務が伴うとし、

国益を優先し、国益に反する結社を前提とした集会も

認めない。


更に、現行憲法第97条

「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、

人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、

これらの権利は…、侵すことのできない

永久の権利として信託されたものである」が、

自民党草案では、すっぽり削除されている。


みんなが自由で幸せになれる社会に


平塚らいてふが女性解放運動を始めた頃、

女性の集会は認められていなかった。


戦後、日本国憲法により婦人参政権を実現。


女性活躍社会で、私が六大学で初めての

女性総長になったがそれでいいのか?


一方で、女性のホームレスが殺された。


自分が幸せになれて良かったではない。


分断を見つめてほしい。


格差を見つめていかなければならない。


多様性と繋がっている。


法政大学は、「ダイバーシティ宣言」をした。


「性別、年齢、国籍、人種、民族、文化、宗教、

障がい、性的少数者であることなどを理由とする

差別がないことはもとより、これらの相違を

個性として尊重すること。そして、これらの相違を

多様性として受容し、互いの立場や生き方、感じ方、

考え方に耳を傾け、理解を深め合うことです」


パートナーシップ制度も、選択的夫婦別姓も、

関係のない人には変わらないが、

苦しんでいる人は幸せになれる。


政治は幸せな人を増やすこと。


どういう社会なら幸せな人が増えるか。


想像を膨らまし、戦禍の人、貧困の人に思いを寄せ

個人の尊厳を大事にするための不断の努力が必要。


   ☆    ☆    ☆


講演の後は、全国の運動、取り組みの紹介でした。


今回の母親大会の会場である埼玉県には、

米軍基地が4つ、自衛隊基地が4つ、あるそうです。


騒音問題、低空飛行などの危険と隣り合わせ。


騒音が酷いのに、調査もしてくれないそうで…


平和、安全、安心を守る運動が続けられています。


若い女性の「私たちが母親大会を引き継いでいきます」

との宣言に、希望を感じ、胸が熱くなりました。


群馬県の高崎市では、今から90年前、

欠食児童が多かったため、栄養改善事業が始まり、

学校に調理場をもうけ昼食を提供したそうで、

それが給食の始まりだとか。


高崎市の給食は以前から、地産地消で有名ですが

そんな歴史があったんですね。


群馬県には35の自治体がありますが、

各自治体で給食費の全額補助、一部補助をおこない、

補助がないのは残り4自治体だけとなったそうです。


す、すご〜い!


これも、要求してきた母親運動の成果ですね。


ぜひ、敦賀でも実現したいです!


沖縄では、発がん性物質である有機フッ素化合物が

米軍基地から大量に放出され、

周辺住民の血中濃度が高かったことが分かった、と。


知らずに汚染された水を子ども達に飲ませていた…

と、お母さん達は、怒り、立ち上がり、

命を育む水を守るための運動をしているそうです。


婦団連からは、女性差別撤廃条約選択議定書批准を

求める意見書が、164自治体で採択され、

大阪、徳島では全自治体で採択されたことが

報告されました。


その他にも、大阪のカジノ誘致に反対する運動、

生理休暇の取得など、女性の権利を職場に根付かせる

労働組合の運動…などなど、

全国各地、各団体の女性の運動が紹介されました。


敦賀でもがんばらなくては!と思いました。


二日間で、リアル集会、オンライン集会など

のべ14,000人が参加した日本母親大会。


名残惜しかったけど、閉幕しました。


来年は山口県だそうで…行けたら良いなぁ〜。


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posted by きよこ at 23:00| 福井 ☁| 日記2020.1〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする