保育の「今」を学ぶ会がありました。
講師は、名古屋の自治労連保育部会の武藤貴子さん。
15年前、公立保育園の民営化に反対し、
保育士さん、保護者さん、支援者のみなさんで
「敦賀の保育を考える会」を作りました。
その当時、学習会の講師として、何度か、
武藤さんに名古屋から来ていただきました。
しばらくお会いしてませんが、
オンライン画像で見る限り、全然、変わってない💕
さて、お話の内容は…
はじめに
今から36年前、武藤さんが保育士になった頃、
先輩保育士に教えたもらいながら、
保育士として成長できる環境がありました。
また、当時は、正規保育士が当たり前。
ところが、今の保育園は、就職したら
すぐに「1人前の保育士」が求められます。
学校を卒業したばかりなのに、
いきなりクラス担任を任され、
まだ、子ども達の顔も見てないのに、
月案、週案を書かされる…
このような中、辛くて辞めていく保育士が
少なくないそうです。
保育者の現状
保育士資格登録者の内、
3割しか保育士として働いていないそうで…
保育士として働く場合に求める条件、重視する点は、
1番は、仕事量が適正であること。
2番は、育休、有給など休暇が保障されていること。
また、保育士の人数が適正または充実していること。
これらは、どれも、人員配置の充足が必要です。
でも、保育の現場は…約5割近くが会計年度任用職員
(非正規)です。
会計年度任用職員は賃金が安く、
1年ごとの契約で、再雇用されるか不安を抱えながら、
保育に携わっておられます。
国の保育施策
国は、保育をどうしようとしているか…
20年以上にわたって、規制緩和が行われ、
保育士の資格がなくても保育ができるようにしたり、
企業に保育園を運営できるようにしたり、
給食の外部委託も可能とするなど
保育にお金をかけず、保育を企業の儲けの材料に
変えてきました。
このような中、認可外保育施設も増え、
高架下に保育所を整備したり、
お昼寝時、子どもを毛布でぐるぐるまきにしたり、
劣悪な環境の保育園も増えました。
保育園は、園庭の確保が条件になっていますが、
園庭のない保育園が増え、東京のある地区では、
1つの公園に10の保育園等が登録しているそうです。
また、保育園の指導監査を書面提出だけで
OKにしようとしています。
でも、実際に、書面に「避難経路2つOK」と
書かれた乳児の保育施設に行ってみると…
乳児には降りることができないらせん階段や
ハシゴ状の避難ロープがあるだけ。
絶対に、現場に行って監査をする必要があります💨
9月に三歳児がバスの中で亡くなった事件があり、
世論もあって書面提出OKは延期されていますが…
これ以上の緩和は許さない、という
声をあげて変えていく必要があります。
公立保育園のメリットは、地域の保育基準をつくり、
地域の保育の質を確保しています。
また、自治体の保育実施責任を明確にしています。
更に、儲からなくても撤退することはありません。
もちろん、民間保育園がいけないのではありません。
公立は公立のまま、民間は民間のまま…で良いのでは?
子どもの健やかな発達を保障するため、
保育者が楽しく保育をするために、
保護者が楽しく子育てするために、
良い保育制度が必要です。
国の保育施策は変えられる
今、「子ども達にもう一人保育士を!」
という取り組みが始まっています。
マスコミも注目しているため、
今、保育士を増やすチャンスです。
スイミーのように、一人の力は小さいけれど、
みんなで集まれば大きくなる!
みんなでよりよい保育をめざしてがんばろー!
保育士さんが描いた、
3歳児(保育士1人に園児20人)のクラスの様子です。
「子ども達にもう一人、保育士を!」
この声を、ぜひ、敦賀から国へ届けなくては!