福井県母親大会に参加しました。
記念講演は、農民連の長谷川敏郎さんによる
「気候危機の時代、未来世代に引き継ぎたい食と農」

長谷川さんは、島根県で牛を2頭飼い、
有機農業をされているそうです。
里山の手入れをして、
薪ボイラーで暖房・給湯。
薪の灰と牛の糞で堆肥をつくり、
田んぼの土をつくります。
田植えの後、除草剤は一回のみ。
殺虫剤無しの米作りは34年目。
3月上旬にツバメの先発隊が訪れ、
9月まで子育てをし、
15〜17家族160羽のツバメが、
田んぼの虫を食べてくれます。
ミミズもいっぱい。
稲害虫の天敵であるクモが2倍、
カエルが2.5倍いるそうです。
ヘイケボタルがいることで、
寄生虫の密度を下げることができている、と。
このように、里山は
エネルギーと生態系の宝庫であり、
癒やしの場でもある、とのこと。
循環型農業がいかに素晴らしいか、
熱く語ってくれました。
そして、今の日本の農業問題について…
・2021年、日本で
栄養失調で死亡した人は2013人。
内閣府の調査(2021年12月)によると、
食料が買えなかった経験があるのは、
低収入世帯の38%、母子家庭の32%で、
全世帯の11%にものぼった。
日本の子どもの6人に1人が
1日3食を食べられず「欠食児童」に。
・このような中、自公政権は、
「食料・農業・農村基本法」改定を強行可決。
食糧自給率の目標は消え、
「向上をめざす」ものに変わった。
食料の安定供給は、
「国内増産」から「安定的な輸入」へと変わり、
輸入相手国への投資の促進まで盛り込まれている。
だが、お金を出せば、いつでも、いくらでも
欲しいほど輸入できる時代は終わった。
・基幹的農業従事者は、20年で約100万人以上減。
農林水産関係予算も、農地面積も、
農業総産出額も、自給率も減っている。
一方、農林水産物の輸入額だけが倍増。
農業は生涯現役とは言え、6割が70才以上。
2割が80才以上。
本気の農業後継者対策が求められているが、
民主党政権時、750万円だった
新規就農支援(経営開始支援)が、
現在、150万円になり、40%も削減された。
・肥料や生産資材、高熱費など軒並み値上がりし、
1戸あたりの農業所得は、
2005年に42.4万円だったのが、2022年は1万円。
時給も、2005年に516円だったのが、
今では、たったの10円に。
農業だけでは、食べていけない。
・食糧自給力も、このままでは、
6年後は生命維持がやっとの水準に。
そこで、「食料・農業・農村基本法」改定とともに
強行可決されたのが、「食料供給困難事態対策法」
国が、芋や米に生産を転換するよう生産者に指示。
計画を出さないと20万円の罰金。
警察が取り締まり、名前を公表してさらし者に。
計画通りにできなくても罰金。
高齢の離農者も予備役で動員する計画。
・世界の輸出大国の大規模・工業的農業の
行き詰まりが、食と農の危機の原因。
大規模の工業型農業は、
世界全体の土地・水・化石燃料の75%を使って
食料の30%を生産しているが、
小規模・家族農業は、
土地・水・化石燃料の25%を使って
食料の70%を生産している。
・農業再生は、「工業的農業」ではなく、
「アグロエコロジー」
(生態系と調和を保ちながら作物を育てる)で。
食料、エネルギー、ケア(医療、介護、福祉)を
できるだけ地域内で自給する「FEC自給権構想」を。
学校給食無償化、国産・地場産利用を。
給食の公共調達は、
まず国産を、更に地元での生産を増やし
供給する生産と流通のシステム作りがカギ。
・食と農の危機は、自然現象ではない。
国の政策によるもの。
農業予算を1980年と2021年を比較すると、
アメリカは7.5倍、EUは4.68倍だが、
日本は0.76倍で、逆に減っている。
一方、軍事費は、約4倍。
日本の食料自給率38%は、
いつ食べ物が無くなるかわからない、
「恐怖と欠乏」の状態であり、
農業なくして、憲法25条「健康で文化的な
最低限度の生活を営む権利」は保障されない。
食料こそ、安全保障の要。
大軍拡よりも、農業再生を!
講演をお聞きし、
外国に日本人の胃袋を売り渡す
自公政権の農業政策に怒りを感じるとともに、
食料を守る運動は、地球を守る運動でもあり、
子や孫、未来の子どもたちのためにも、
食料を守る運動をしなければ!と思いました。
そのためには、まずは、
カギとなる学校給食から?
がんばります!

講演前の文化企画で、
60才から楽器を始めたという
3名のご高齢の女性の演奏に、
心がうたれました。
ピアノ、フルート、オカリナの音色と
母の大好きな「浜辺のうた」がマッチし
涙があふれました。
私も、あと2ヶ月で60才。
何か始めようかなぁ〜💓

講演の後の県内各地、各団体の
取り組みの報告にも元気をもらいました。
学校給食費無償化めざして、
工夫して署名運動に取り組んでいたり…
希望を持って働き続けられるように
処遇改善を求めて運動している
教職員、保育士、介護労働者のみなさん。
商売されている女性の権利を求める運動…等々。
私も、がんばらなくっちゃ〜💨
エネルギーもらえた母親大会でした。