今日は、福井県の
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟主催の、
「古河力作生誕140周年墓参ツアー」
に参加しました。
まず、熊川宿にある
「新しい戦前の今 地域のふるい戦前展」へ。
熊川宿の「戦前展」は、2回目です。
1回目の訪問記はこちらから→2023.8.27
1年前よりも、資料が増えていました。
今回、目にとまったのが、
国債や貯蓄をすすめるチラシです。
戦時中、国は戦争の財源のために、国民に、
貯金をしたり、国債を買うよう奨励しました。
「敵が兜を脱ぐ日まで 230億貯蓄に邁進」
(国民貯蓄奨励局)
「税金の軽くなった余力で国債御奉公」
(福井県)
「国債へ さあ 一億の突撃だ!」
(大蔵省・逓信省・日本銀行)
「土地建物等を売れば国債を買わねばなりません」
(福井県)(回覧板)
なんせ、大日本帝国憲法のもと、
国民は、天皇の臣民。
お国(天皇)のために、
尽くすのが国民のつとめでした。
こうして、国債を大量に発行し、
泥沼の戦争に国民を駆り立て、
戦後、国債は、紙くずに同然に…。
こうした、過去の戦争の反省から、
日本は、赤字国債を発行しないこととし…
1965年度に、戦後初めて国債を発行した時、
当時の福田大蔵大臣は、国会答弁で
「公債を軍事目的に活用することは
絶対に致しません」と明言していました。
ところが、2022年末、当時の岸田首相が
今後5年間の防衛費を43兆円とし、
建設国債を発行することに。
全然、教訓がいかされていません!
もう一つは…
「青壮年国民登録について」(厚生省)。
国民総動員法に基づき、
国民1人ひとりの能力、身体、精神の状況など、
細かく調べてデータ登録し、
その能力に応じた労働を
強制的に割り当てようとしたものです。
これまで、国民総背番号制度が、浮上しては、
戦前と同じではないか?と、
国民の猛反対から消えてきた時代がありましたが…
これも、住民基本台帳、マイナンバー制度…と、
なし崩し的に、進められています。
今回、初めて「戦前展」に来た方は、
「知らない事が多い」と、
真剣に資料を見ていました。
その後、熊川宿のお店で
お蕎麦とこんにゃくの唐揚げを食べて、
小浜の妙徳寺さんへ。
大逆罪の犠牲者の一人、
故・古河力作さんのお墓参りをしました。
古河力作さんは、
140年前、小浜で生まれました。
そして、1911 (明治 44)年 に
大逆事件で、26才で死刑に…。
大逆事件とは…
幸徳秋水ら社会主義者・無政府主義者が
明治天皇暗殺を計画したとして
検挙・処刑された事件です。
でも、これは、史上最悪のえん罪事件です。
明治政府が、社会主義者を弾圧するために
でっち上げたもの。
しかも、裁判は証人なし、
マスコミも入れず、完全非公開でおこなわれ、
わずか1ヶ月の審議で死刑判決。
古河力作は、「僕は無政府共産主義者です。
貧困・生存競争・弱肉強食の社会よりも、
自由・平等・博愛・相互扶助の社会を欲す。
戦争無く、牢獄無く、永遠の平和、
四海兄弟の実現を望む」 という言葉を残し、
刑死しました。
当時、力作のお墓を作ることも許されず、
家族も犯罪者の身内として、
たいへんな目にあったそうですが…
父親の死後、父親のお墓の墓石に、
わからないように、こっそり、
力作の名前を刻んだそうです。
さて、政府は、この大逆事件を機に、
特高警察を作り、治安維持法を作りました。
天皇の臣民である国民は、
お国のために、生きて死ぬことが求められ、
そんな社会を変えようとした者は、
極悪人、非国民として、
治安維持法によって処刑されました。
このような過ちを繰り返すことは許さない、と
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟は、
国に、治安維持法の犠牲者に謝罪をし、
賠償をするよう求めて運動をしています。
今回、墓参で新しい仲間が増えました。
「初めて知りました」と。
やはり、知らせることが大事ですね。
帰りに、小浜の「GOSHOEN」(護松園)へ。
江戸時代に北前船の商人、古河屋の5代目が
小浜藩のお殿様などをもてなすために建てた
「古河屋別邸」で、
ene COFFEE STANDが併設されています。
みんなで、ステキなお庭を見ながら、
ラテ&ケーキとおしゃべりを楽しみました。
カフェは、墓参ツアーの計画にはなく、
思いつきのオマケでしたが…
「テレビで見て、来たかった」と喜ばれ、
結果的に、有意義なツアーになって
良かったですv