2016年10月07日
文教厚生常任委員会の視察
文教厚生常任委員会で視察に行ってきました。
5日は、武蔵野市「介護予防・日常生活支援総合事業
について」
政府は今期の介護保険事業計画で、要支援1、2の方を
介護保険から外し、その受け皿を自治体に「総合事業」
として実施するよう押し付けてきています。
武蔵野市の市長は、介護保険制度が始まる前から、「介
護保険だけでは高齢者福祉は担えない」と介護保険に反
対していたそうで、介護保険が始まる時、同時に、「武
蔵野市高齢者福祉総合条例」を作ったそうです。
そして、自主的な集まりによる「地域健康クラブ」、
公衆浴場で開催する「不老体操」を始め数々の体操教室
を各地で行っていきました。
また、市内8カ所に「テンミリオンハウス」を設置し、
地域の福祉団体などに1000万円を上限とした補助を出し
(一般会計8000万円)、ランチや趣味の活動など交流の
場を設けてきました。
施設によっては、喫茶や緊急ショートステイ、若い子育
て世代との交流も行っているそうです。
そして、もっと身近に集まれるものを…と、今年度から
集会場や個人宅のリビングなど市内8カ所で「いきいき
サロン」を始め、これからも増やしていくとのこと。
また、武蔵野市では、「武蔵野市認定ヘルパー制度」を
設け、市独自の研修を受けた無資格のヘルパーに「仕
事」としてサービスに従事してもらっています。
現在、訪問介護事業者、シルバー人材センターなどに
71人おられるとのこと。
ちなみに、ヘルパーに払う報酬をお聞きしたところ…敦
賀市の臨時職員よりも高額でした(^_^;)
このように受け皿を確保しため、全国でも問題となって
いる「サービスB(住民主体によるサービス)」は実施
しないとのこと。
また、「サービスA(緩和したサービス)」については
報酬単価を下げず、月ごとの定額から利用回数に応じた
報酬、利用料に変えることで市や利用者の負担を減らす
とのこと。
これは、利用者にとっても、回数ごとの利用料となるた
め負担は軽くなるそうです。
更に、介護保険を受けるため市民が相談に来られた時、
窓口の判断で介護認定ではなく基本チェックリストを受
けさせ、水際で介護保険から外していく…という政府の
言うやり方でなく、まずは介護認定を受けてもらい、該
当しなかった方にチェックリストを受けてもらい、緩和
したサービスにつなげるとのこと。
武蔵野市は、昨年10月から、現行サービスのみで総合事
業を始めたため、介護保険から外れる市民はいませんで
したが、一年経ち、今後、介護保険から外される方が出
てくるようです。
それにしても…介護保険が改悪される中、市が責任をも
って受け皿をつくる等々、大変参考になりました。
6日は、東海市「放課後子ども総合プランについて」
東海市は、「子育てするなら東海市」と、子育て支援に
取り組んでいます。
12ある小学校の全ての校舎内に放課後児童クラブ(学童
保育)を設置し、併せて、全ての学校で「子ども教室」
を開催しています。
ちなみに、放課後児童クラブは3年生まで無料〜!
4年生から3000円ですが、多子世帯や低所得者には減免
制度があるそうです。
利用も夜7時まで。
「子ども教室」は誰でも参加でき、週2回、参加費は無
料(実費負担あり)。
児童クラブに参加している子も、子ども教室に行けるそ
うです。
視察に行った日は、近所の高齢者の方が先生になって手
品教室をしていました。
人気があるのはスポーツや料理教室だそうで…。
他にも男性の不妊治療の助成等、参考にしたい事業がい
ろいろあったので、冊子をいただいて帰りました。
7日は、京丹後市「生活困窮者自立支援の取り組みにつ
いて」
京丹後市は、丹後町、久美浜町など6つの町が合併した
自治体で、京都の端っこ、日本海側にありました。
生活困窮者自立促進支援については、これまで、議員研
修会を何度も受け、野洲市の素晴らしい事例も勉強し、
平成27年度の開所にあたっては、敦賀市に住民をたらい
まわしにしないよう直営を求めてきました。
残念ながら、敦賀市は社会福祉事業団に委託してしまい
ました。
担当されている事業団の方はとても熱心で、一生懸命さ
れていますが…いかに市民に役立つ制度にしていくか等
々、私なりに勉強しているところです。
京丹後市は「寄り添い支援総合サポートセンター」で、
下記の事業を13名の体制でされていました。
・ 市民相談室
・ 消費者生活センター
・ 多重債務相談支援室
・ 暮らしの資金貸付事業
・ 社会的孤立者等居場所づくり事業
・ 生活困窮者自立支援制度による事業
(自立相談支援事業、一時生活支援事業、
就労準備支援事業、学習支援事業)
暮らしの資金貸付事業は、市独自の制度で、社協の福祉
貸付よりも優先して上限20万円まで、市民に貸してくれ
るそうです✨
平成27年度からは「黒部の居場所ひまわり」を開所し、
下記の事業をワーカーズコープに委託しています。
・ 居場所づくり事業
・ 就労体験による居場所づくり事業
・ 地域の団体や都市部との交流
・ 若者サポートステーション豊岡
また、ひまわりでは、就労準備支援セミナーも行い、農
林業等一次産業の体験などにより、生活習慣を改善し、
就労意欲の向上、生きる力を身につけているとか。
平成27年度には32名が就職したそうです。
周囲の目を気にして障がい者施設を利用できない人が多
い中、ひまわりを居場所にしている方もおられるとか。
敦賀の居場所づくりの参考にさせていただきたいです。
とても遠かったですが、行って良かったです。
↑
京丹後市役所の横の福祉事務所。
この奥に「寄り添い支援総合サポートセンター」が✨