講師は、NPOサポートセンターもやいの理事長
大西連さんです。
「もやい」は、2008年、リーマンショックで
派遣切りがおきた時、年越し派遣村を作って
みさなんの支援をした団体です。
「もやい」の取り組みは、住居の支援、居場所作り、
自殺予防…等々、多岐に及びます。
今日の演題は「今日の貧困と地域のとりくみ」。
はじめに、福井県社保協の代表が、開会あいさつで、
ウクライナのことから自身の戦争体験にふれ、
食べる物がなくてひもじかった話しをされ、
戦争は最大の貧困を生む、と。
講師も、代表のあいさつをうけ、講演の冒頭、
祖母の戦争体験を聞いた話しにふれられ、
戦争は許してはならないと思いを共有して
講演が始まりました。
お話しの内容は…
これまで、仕事があって働いてて
お金があった時には覆い隠されていた社会の問題が
コロナ禍によって表に現れてきた。
DV、虐待、非正規雇用の拡大、
中長期にわたって不安定…等々。
これまで、新宿都庁下で、毎週土曜日、
食料品配布と相談会をやってきたが、
コロナ以前は60人ほどだったのが、
コロナにより急増し、最近は554人に。
これまで、住まいなし、要保護状態の方や
住まいはあるが、要保護状態の方が多かったが、
住まいもあり、生活ギリギリなので節約したい、
住まいもあり、生活再建したが、不安があり
少しでも貯金したい…など、
食料品配布に訪れる若い人が増えている。
今の時代、環境、社会情勢をふまえて、
考えなくてはならないセーフティーネットは…
声をあげることで問題を可視化し、
社会的な取り組みにつなげていくこと。
必要な支援が何かを考えて、実践すること。
溺れている人がいるときに、どうすれば良いか?
例えて考えると…
《溺れている人を助ける》
早期発見をする、すぐ助ける、
助ける技術を高める、すぐに助ける体制をつくる
《溺れにくくする》
溺れやすい状況を可視化する、うきわを渡す
《溺れない力をつける》
泳ぎ方を共有する、助けを呼ぶ方法を共有する
《溺れても困らないようにする》
水深を浅くする、助けてもらうのを当たり前にする
…等々。
東京と福井県、敦賀市では状況は少し違います。
福井県は、2世帯、3世帯が多く、持ち家があって…
貧困があまり見えないのが現状です。
でも、長引くコロナ禍により、貯金もなくなり、
生活困窮に陥っている人がおられるのは同じです。
また、ここでも貧困の事例として出されたのが
「10代女性、以前から実父から性的虐待あり」…
女性の貧困問題で、最近、必ずと言っていいほど
子どもの頃から、実父、実兄、親戚などから
性的虐待を受けてきた女性のケースが出される。
胸が痛くてたまらない…
性的虐待、性暴力は絶対に許せません!
また、あらためて、若い人が
将来に不安を抱えている状況がわかりました。
希望が持て、安心できる社会にしなくては!
その後、県内の食料支援の取り組みの報告が
新婦人、民青、医療生協、嶺南社保協からありました。
講師の最後の言葉にあったように
「自分ができることは何か考え、取り組む」
「必要な取り組みを支援する」という姿勢で
これからもみなさんと一緒に取り組みたいと思います。