今日は、「こども家庭庁で保育はどうなる?」と
題した保育についての研修を受けました。
本当は、自治労連の研修会にZoomで参加するはずが
申し込みを忘れてて…
でも、こども家庭庁について勉強したかったので
研修のお誘いを受けZoomで参加できて良かったです。
内閣府主導で、子どもの家庭、育ち、教育等々、
すべてのデータが蓄積されプロファイリングされ、
統括されようとしていることにゾッとしました。
そうやってデータ駆動型の保育で育った子ども達が
大人になったら、どんな社会になるのでしょうか?
保育の現場が、それをどこまではばめるか?
データでなく、ケアを大事にした保育ができるよう
私も連帯してがんばらなくては!です。
夕方、久しぶりに、土日にしかやっていない
敦賀病院の裏?の喫茶「月の虹」へ。
最近、喫茶においてある小説
「コーヒーの冷めないうちに」を
読むのが楽しみの1つ。
前に映画で見たけど…涙、涙…😞💦
さて、以下に研修の内容を要約についてご紹介します。
「こども家庭庁で保育はどうなる?」
横浜市立大学名誉教授 中西新太郎氏
こども家庭庁は内閣府の外局
これまで厚生労働省の所管だった保育などが
内閣府の機関に移される。
こども家庭庁の所管は、
設置法第4常で27項目の事務を列挙。
さらに、付随する「総合調整」の役割をあげている。
司令塔の機能をこども家庭庁に一本化し、
デジタル庁と同じように、官邸主導の体制となる。
こども家庭庁創設までに何を準備しているか
こども政策に関するデータ・統計と
EBPM(証拠に基づく政策立案)のあり方に関する
研究会の設置と検討。
「こども基本法」に基づく「こども大綱」を策定。
就学前の子どもの育ちに係る基本的な指針の策定。
日本版DBSの導入に向けた検討。
いじめの防止に向けた地方自治体における具体的な
取り組みや体制づくり等の推進。
こどもデータ連携の推進。
自治体における実証事業。…等々。
こども家庭庁が、保育にどんな影響を及ぼすのか
「保育指針を踏まえた保育」から、
「基本指針にのっとった保育」へと
より統制を強力にすすめられる体制に。
文科省が、幼児期に対する教育を掌握し、
指示等できることが閣議決定された。
5歳児までに、文科省が望む子どもに育つよう
文科省が指示できるしくみに。
足立区では、
5歳児がどの程度できるか報告することとなり、
忙しくなるし、本当に必要なのか疑問の声も。
データ駆動型保育
政府は、データ駆動型社会をめざしているが、
そのためにはマイナンバーカードが必要であり、
ギガスクールもその入り口。
保育でもデータ駆動型保育をめざしている。
福祉、医療、教育、すべてのデータを集める司令塔が
子ども家庭庁。
子どもの意識に関するデータ、
子どもの状態など保育現場でデータを集積する。
家庭の情報、子どもの情報をあらゆる領域に広げ、
リアルタイムでわかるようにする。
データ駆動型保育によって、
子どもたちと向き合う保育、確かめ合う保育から、
データによるエビデンスに基づいた保育をしたか
PDCAサイクルに基づいてチェックされ
評価される保育に変わってしまう。
データを駆動させ判定した上でやるようになると、
判定しないと支援ができなくなり、
保育の中にあるケアが崩されていく。
自動判定はアルゴリズムに基づいて行われるが
機械学習による推定であり、
データが充分でないと正確な判定でない。
また、モデルの組み方で結論が変わる。
判定されるのが嫌な人は、
データ集められないよう隠すようになり、
実態がわからなくなる。
子どもの最善の利益
政府は、子どもの最善の利益を優先にすると言うが、
言ってるだけではダメ。
保育士の負担軽減と言うなら、
保育士の配置基準の見直し、拡充こそ必要。
AIやアルゴリズムは部分的であり、
教育や保育の現場の経験に基づいて
データを集め、ケアの働きを核心に使っていく。
EUの個人情報保護は、データの削除など
忘れられる権利があり、自動判定も認めていない。
一方、日本の個人情報保護法は、忘れられる権利もなく、
民間が使いやすくなるように変えられている。
デジタル化は、物事の本質を見ないもの。
困難を抱えている家庭をピックアップし
別枠にするのではなく、
社会的に解決するようにすべき。
子ども食堂は、困難な家庭だけを
集めているわけではない。
政府も、社会の中で解決していく場として
取り組みむと言っているが、
やろうとしていることと矛盾する。
保育士は、子どもの背景を見ながら
運動と連帯しながら保育してきた。
子どももの権利を保障するために、
子どもが安心して育つ環境が必要。
そのためにも保育士が子どもの意見を代弁し、
子どもの権利を主張することは重要。