2022年11月08日

女性議員の会の研修「こども条例」について

超党派の福井県女性議員の会で、

「こども条例」について研修を受けました。


場所は、越前市役所。


講演は二部に分かれ、

一部は、こども家庭課の課長さんによる

条例を作ることとなった経緯と内容の

簡単な説明がありました。


越前市では、10年前、

県内で先駆けて「子ども条例」を作りました。


当時、児童虐待や養育放棄、

生活困窮などの相談が50件以上あり、

不登校、ひきこもり、いじめも多い中、

「子どもの自立」を目的に作られたそうです。


平成22年度は、骨子をつくるのに

子ども達の意見も聞こうとワークショップ36回開き、

参加市民のべ629名中子どもが227名だそうです。


平成23年度は、具体的な内容を検討するのに

ワークショップを48回開き、市民1035名参加し、

うち、子どもは285名だったそうです。


条例ができたからと言って変わったものはないけど、

親の相談窓口を一元化するなど、

寄り添う支援をしようとする意識はできたそうです。

 
  ★   ★   ★


二部は、越前市にある

社会福祉法人越前自立支援協会「一陽」

(児童家庭センター、家庭養護施設、

子育て支援センター)の橋本達昌さん。


全国児童家庭支援センター協議会会長や、

厚労省社会保障審議会社会的養育専門委員会委員など

されていて、

今年6月の参議院厚生労働委員会にも、

参考人として呼ばれて話をされたそうです。


肩書きは、たくさんありすぎて…割愛しますが…


もともと、越前市の職員さんだったそうです。


武生と今立の市町村合併のあわせ

武生市の児童養護施設を廃止することになり、

大人の事情で子ども達をバラバラにするのは

おかしい!とカンパを集め、

社会福祉法人の認可・設立を果たし、

2006年から越前市立の

児童養護施設と児童家庭支援センターの

運営を引き継いだそうです。


2009年に市を退職し、

施設の統括所長として勤務されているそうです。


橋本さんは「今なぜ、子どもの権利条約なの」と題して

お話して下さいました。


大変、勉強になりました。


ぜひ、敦賀でも、子どもの基本条例を作るべきと

かつて、一般質問したことがありますが、

あらためて、求めていきたいと思いました。


以下、要約します。


そもそもの「子ども観」の変換


子どもはかつて、大人の所有物だったが、

ルソーが「子どもは固有の存在」と主張し、

「子どもの発見」と言われ、

今の子ども観の基礎となった。


子どもの権利条約


1989年、国連で、子どもの権利条約が採択された。


子どもに、保護や援助を受ける受動的権利だけでなく

意志や意見を自由に表明していく能動的権利を保障する

画期的なもの。


日本は1994年に批准したが、158カ国目と出遅れた。


その後、日本では子どもの権利条例について、

2回のブームがおきた。


2000年に川崎市が、

日本で初めて子どもの権利条例を制定。


それ以降、全国にひろがった。


2回目のブームは10年後、武生市が作った頃。


児童福祉法改正


2016年、児童福祉法が全会一致で改正された。


児童虐待の防止を入れたが、

このような抜本的改正は初めてのことだった。


令和3年から令和4年にも児童福祉法改正した。


市が児童相談所任せではなく、

民間団体の支援を利用し、家庭を支援することに。


だが、児童相談所も、市役所も、業務増加で

体制強化が必要。


市町村の担当課の職員は、臨時職員が多く、

ほとんどが女性。


家計補助だから安い。


こども家庭センターの機能が拡充され、

ショートスティ、保育所入れるのを嫌がる家庭に

措置として、利用干渉できるようになった。


大人になっても、自立生活援助事業を

利用できるようになった。 


子ども条例のいろいろ

子どもの権利保障をはかる条例は

全国で62自治体あるが、

この中に、越前市は入っていない。


越前市の条例に何が足りないか…


子どもが権利行使の主体だということ、

条例の実施を推進する、

実施を監視する体制・組織が入っていない。


子どもコミッショナー作ることが重要。


条例を作ることが目的ではない。
 

地域ニーズを踏まえながら、

まずはその検討から始めるべき。


越前市でも、「子どもの権利条例」としたかったが、

議会で反対する議員がいて「権利」が外された。


権利に対するアレルギーがある。


越前市の条例は子どもの自立を目的としているが、

それぞれの自立がある。


支援、補償があっての自立、

発達年齢、発達段階に応じた自立。


また、越前市は、「市民みんなで作る」としながら、

「ただし子供は除く」とある。


それは、子どもを入れることに

反対意見があったためであり、残念。


子どもも、障がいがある子どもも意見を出してもらい

一緒に作ることが大事。


「こども家庭庁」も最初、「こども庁」だったが、

保守系によって「家庭」が入った。


保育所の利用児童は、

2025年にピークになると言われ、

民間保育園の存続が危ぶまれている。


そこで、保育園の役割として、

家庭保育を支援することが提唱されている。


子ども条例は理念条例。


体制を充実しないと、条例があっても何もできない。


機運を高めるために運動を起こすことが重要。…等々


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おまけのお話💓


敦賀市議会事務局にいた若い女性職員さんが

この春、退職し、地元の越前市に就職したと

聞いていましたが…

越前市の議会事務局におられ、

一瞬、敦賀の議会事務局から

わざわざお手伝いに来てくれたのかと、

錯覚してしまいました😃💧


嬉しい再会でした💕


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posted by きよこ at 23:53| 福井 ☀| 日記2020.1〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする