2023年05月12日

議員研修2日目は社会保障について

議員研修2日目は、社会保障について。


今日も、家のパソコンでZoomで受講しました。


午前中は、全世代型社会保障と地域医療、

午後からは、全世代型社会保障と介護保険制度。


社会保障は改めて言う間でもなく、

全世代型であり、生涯型です。


政府はわざわざ「全世代型」と言って、

子育て世代と高齢者を分断し、

子育ての負担を高齢者に求めようとしていますが、

限られた財源を奪い合うやり方ではなく、

企業や富裕層に負担を求める「所得の再分配」を

徹底すべき、という講師のお話は納得です。


地域医療構想がコロナ禍を経て

病院の統廃合による「再編・ネットワーク化」から、

「病院間の役割分担と連携強化」に変わった、と。


今後、福井県の計画で

敦賀病院がどのように位置づけられるのか、

注視しなければ…!


また、各公立病院では、

経営強化プランを策定するとのこと。


決算か予算で策定費用が計上されていないので

どうなっているのか?と、と質問しましたが、

そろそろ、できあがったかも?


説明を求めに行かなくては!


また、介護保険制度の始まりは2000年。


私が初当選した翌年です。


私は、当初から、介護保険制度について、

お金の心配なく、必要な介護が受けられるよう

減免制度を求めるとともに、

自立と認定された方も、

必要な介護サービスが受けられるように、と、

議会で求めてきました。


あれから、24年…

介護保険制度も改定に次ぐ改定で、

どんどん、悪くなっています。


今年度、介護保険も見直しの年です。


今回の研修で得た知識をいかして

安心の介護となるよう議会で求めなくては!


また、より良い社会保障を求める運動にも

しっかり役立てていきたいと思います。


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本も買いました。


後でじっくり読みたいと思います。


以下、要約して

研修で学んだことをご紹介します。


日本医療総合研究所の寺尾正之氏の

「全世代型社会保障構築政策と地域医療構造の再編」



《全世代型社会保障構築》


全世代型社会保障がめざすものは、

高齢者の社会保障の削減と医療費の抑制。


内閣府は、2040年の社会保障給付費が、

2018年の1.6倍になると見通しを示したが、

実額でなくGDP比でみるべき。


GDP比では1.1倍で、困難な額ではない。


《新たな地域医療構想》


「骨太の方針2022」により、

「かかりつけ医機能」を担う外来医療に焦点をあて、

都道府県は、

2025年度「新たな地域医療構想」を策定、

2026年度から稼働させることに。


厚生労働省は「かかりつけ医機能の定義」を

法制化した。←5/12衆院可決・成立


5つの機能

・外来医療の機能

・休日・夜間の対応

・入退院時の支援

・在宅医療の提供

・介護サービス等との連携


これらの機能すべてを

実施できる医療機関は限られるため、

「他の医療機関と連携して提供できる」方式を

認めるべき。


また、各公立病院では、

2022年度中に経営強化プランを策定し、

2023年度に都道府県で集約・検討し、

第8次医療計画に反映させることに。


経営強化プランは、コロナ禍をへて

「再編・ネットワーク化」から、

「病院間の役割分担と連携強化」に変わった。


地域の中に基幹病院を設定して、

急性期機能を集約し、

医師・看護師も集中させる計画で、

医師の偏在は、今後、さらに強まる懸念がある。


《医療DXのねらい》


健康保険証を廃止し、

マイナンバーカードによる資格確認が基本になる。


マイナ保険証は、マイナカードを申請・取得し

保険証登録をしなければならない。


マイナカードを取得しない場合は、

市役所に「資格確認書」の交付を

申請しなくてはならない。


健康保険証の交付義務が申請主義に変わるため、

申請漏れなどで、無保険者をつくってしまい

皆保険制度からこぼれ落ちる国民ができる。


マイナ保険証の仕組みとして…


マイナンバーカードのICチップ内には

「本人確認機能」である

「利用者証明用電子証明書」が備わっている。


電子証明書の発行番号は、

マイナンバーそのものを使わないので、

利活用が制限される「特定個人情報」には

該当しない。


そのため、この電子証明の発行番号を

健康保険証として利用できる。


ICチップ内には空き領域があり、

「民間も含めて幅広い利用が可能」とされ、

あらゆる個人情報を集めることができるため、

マイナンバーカードが、

「情報の中央集権化」が可能なツールとなる。


マイナ保険証の問題として…


マイナ保険証の登録にはパスワードが必要だが、

忘れたり、何回か間違えると使えなくなるため、

政府は、2回目以降の「パスワード入力なし」を

認める方針で、何の為のパスワードか。


マイナポータルで、

自分の医療情報を過去にさかのぼって

見られるのがメリットと宣伝されているが…


見られるのはレセプト(1ヶ月の費用)で、

カルテは見られない。


薬の医薬品名や用法・用量も

見られるのは3年分だけで、

紙の「お薬手帳」の方が便利。


電子証明書は5年(誕生日)ごとに更新が必要で、

マイナンバーカードも10年(誕生日)ごと、

未成年は5年(誕生日)ごとに更新が必要。


5年ごとに、行政も市民も手続きの負担が生じる。


大規模な災害や、

システム障害によるトラブルに巻き込まれた場合、

大きな混乱が発生する。


デジタル庁「マイナポータルの利用規約」に

「健康保険証利用登録をする場合、

利用情報を総理大臣に対し開示できることに

「同意」したものとみなす」と、

2023年1月3日まで明記されていたが、

4日に削除された。


だが、実際には、本人が同意したとみなし、

提供されることになる。


医療情報を集めて、企業等が二次利用目的に

使用できるデータを増やすねらいがある。


↑ ちなみに、一次利用とは、

患者本人のみに治療のために利用すること。


二次利用とは、診療情報を収集し、

目的外のためにその情報を利用すること。


政府の医療DX推進本部は、いずれは、

「社会保障個人会計」の導入をめざしている。


「社会保障個人会計」とは、

個人の一年間の税や社会保険料と

医療費、年金、介護などの給付を数値化して、

マイナポータルに表示し、

自己責任で自己管理するもの。


医療情報の利活用は、情報を受け取り、

集積する側(国や企業)が、何に利用しているか、

誰が監督するのか、透明性を確保することが不可欠。


国民・患者の信頼感、安心・安全を確保するため、

国民・患者のプライバシー権、人権を守る仕組み、

自分のデータの使われ方を

コントロールできる権利が求められる。


《公的責任で医療、社会保障政策の転換を》


自己責任、家族・地域の助け合いでは

解決できないからこそ、社会保障の制度ができた。


社会保障は、「生涯型」であり、

個人の一生のなかで、みんなが経験する

幼年期や高齢期に共通するリスクをあらかじめ

防ぐのが社会保障の役割。


土台は、「国の社会保障支出」と

「所得再分配機能」の抜本強化。


負担能力の高い大企業や富裕層に

負担を求めるべき。…等々。



民医連事務局次長の林泰則氏の

「全世代型社会保障と介護保険制度改革」



2000年4月から、2021年3月まで、

高齢者は1.7倍、

要介護認定者(要支援含む)は3.1倍、

介護サービス利用者は3.4倍に。


「収支均等原則の徹底追及」により、

給付の抑制、確実な保険料の徴収など

徹底したコスト管理が行われてきた。


持続可能性の確保と言うが、

誰のためか? 何のためか?


介護保険が直面している3つの危機は…

@必要なサービスを利用できない(させない)

A深刻な人手不足

B財政破綻の恐れ


今後、利用料の原則2割化(2倍)、

高所得者の介護保険料の値上げ、

多床室の室料徴収を老健施設等にも拡大

の実施が検討されている。


「全世代型社会保障改革」により

高齢者を働かざるを得ない状況に

いっそう追い込むことに。


次期「改正」(2027年〜)に向けた検討テーマは、

ケアマネジメントへの自己負担導入、

要介護1、2の生活援助サービスを

要支援と同じ総合事業に移行…等々。


介護する人、受ける人がともに大切にされる

制度にすべき。


・負担増・サービス削減の見直し中止を!

・処遇改善・職員体制の強化を!

・コロナ対策強化を!

・介護保険の抜本的見直し・国庫負担の引き上げを!


posted by きよこ at 23:00| 福井 ☔| 議会、議員活動2016.11〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする