2024年07月31日

保育と教育のDX

今日も蒸し暑い1日でしたね。


月末は、赤旗集金と読者拡大の1日。


空いた時間や、活動が終わった夜は、読書。


今日も、昨年、買ったけど読めてなかった

「保育・教育のDXが、

子育て、学校、地方自治を変える」を一気読み。


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敦賀でも、保育園や学校で、

スマホのアプリを使って、

欠席の通知やお便りを出すなど

行われるようになりました。


とても便利で保護者からも喜ばれ、

保育士の負担軽減にもつながっています。


ところが…


学校と保護者がやり取りをしているようにみえて、

実は、テック企業を介していて、

情報はすべて、テック企業のサーバーに。


妊娠した時から、出産時、乳幼児期…など

入力したあらゆる情報が、自治体のアプリによって、

テック企業に集約され、利用されているそうです。


また、データの所有権はテック企業にあり、

契約を切ると情報はすべて切られるため

企業を変えることができないし…


たとえ契約を切って、情報が削除されても、

企業側には、個人情報を削除されたデータが残り、

新たなデジタルサービスの原資として

利活用され続けるそうです。


子どもが大人になった時、

自分のデータが

不十分な説明と合意手続きの中で、

長期に収集され利活用されてきたことを知り、

納得できるのか?


そのため、現在、

アプリの利用については、

企業と保護者任せになっていますが、

自治体として、

保護者に対して説明する責任があるし、

利用をしない保護者に対しては、

これまで通り、アナログでの対応をすべき…と。


また、子どもが自らのデータに対して意見し、

そのあり方を決めることができる

「自己情報コントロール権」の

確立が求められている…とも。


あと…

「保育ドキュメンテーション」という

サービスもあり、

「保育指導案作成」のサービスにも連携していて

知識、経験が浅い保育士でも、

テンプレートの骨格があるため、

指導計画の抜け漏れを防げるし、

指導案文例から、選択して作成できます。


ただ…

こうした中で、システム無しには

保育指導案が作れなくなる恐れも…等々。



教育分野では、

「2020年教育改革」が進められていて…


「大学入学共通テスト」に関して

目玉とも言われていた改革案が、

実施直前になって、あいついで頓挫。


英語学部試験の導入は、

制度設計の詰めの甘さや受験機会の不公平性などに

批判が高まって、見送られ…


数学と国語の記述式問題の導入も

民間事業者に委託する採点の不透明性への批判から、

中止に。


新学習指導要領も、

2020年以降の全面実施がコロナ禍と重なり、

新教育課程への準備どころではない状態の中、

実施され…


でも、国民が関心を示していないのは、

「2020年教育改革」の次の改革、

教育DXの構想が始まったから…と。


この教育DXは、民間企業の活躍の場として、

経済産業省が、熱心に取り組んでいます。


「Society5.0型教育改革」は、

Society5.0を実現するための人材育成を

公教育に担わせ、

教育サービスを提供する民間企業に

公教育を「市場」として開放する、とのこと。


戦後教育の中で、

あえて、公教育と企業(民間教育産業)には

棲み分けがありました。


近年、それが、なし崩し的になり…


Society5.0では、原理、原則が

撤廃されることになります。


これを後押ししたのが、コロナ禍でした。


コロナ禍で一斉休校となり、

タブレット化が急激に進みました。


タブレットがあれば、学校に行かなくても、

先生が教えなくても、勉強ができます。


こうした中、文科省が、矛盾を抱えながらも、

Society5.0を進めつつ、

従来の学校教育を残そうとしている…とのこと。


コロナ禍を経て、あらためて

学校の役割や意義を再認識されました。


勉強だけで無く、子ども達が集まって、

いっしょに豊かな学びを実現したり、

社会性を身につけたり、

自治の力を育んだり、

保健や給食などの福祉的な機能もあり、

子ども達が安心、安全で過ごせる場です。


こうした気運の高まりが、

少人数学級を実現させる力にもなりました。


ただ、そうはいっても、

教育DXは急速に進められていて…


Society5.0によって、

学びが規格化・定型化され、

企業寄りのものとなり、

「人格の形成」や

主権者としての育成が排除されます。


自己責任が強まり、個人主義化していきます。


そして、国家が、学習面から生活面にいたる

あらゆる分野で集積されるビッグデータを活用し、

国民を監視し動員し、統制する社会になっていく…


…等々。


これまでも、マイナンバー制度の反対討論の中で、

国民総監視社会についても触れてきましたが…


あらゆる分野で同時平行で進められていることに

恐ろしさを感じました。


中国の総監視社会を、

対岸の火事のように思っている人が多いですが…


国は、ビジネスチャンスと捉えていて…


2019年、中国を視察した当時の片山大臣は、

中国政府と地方創生に関する協力を強化する

覚え書きを交わしたそうで…


中国のプロファイリングと監視社会は、

明日は我が身、です。


これからも、警鐘をならし続けるとともに、

敦賀の市民、子ども達をどうやったら守れるのか、

これからも勉強しながら、

議会で求めて行きたいと思います。

posted by きよこ at 23:00| 福井 ☁| 日記2020.1〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする