2日、金沢市にある名古屋高等裁判所金沢支部へ。
関西電力の美浜原子力発電所3号機について
運転しないよう求めた仮処分の申し立てにたいし、
3月、福井地方裁判所が
「原子力規制委員会の判断などに
見逃しがたい誤りや欠落は見当たらない」として、
申し立てを退ける決定を出したことを
不服として申し立てた抗告の審理が始まりました。
私も、申立人の1人ですが、
今まで、ほとんど行けず…
3月29日の福井地裁で決定に行ったのが最初。
そのため、仮処分の審尋に参加するのは初めて。
裁判所の前で集会をした後、
裁判所の入り口まで、行進をしました。
さて…
裁判所に入ると、審尋の部屋は大きな会議室。
え…? 会議室でするの? とビックリ。
コの字のように机が並べられてて…
申立人側と関電側が向かい合った座ります。
その後、裁判官が入ってきて、始まりました。
まず、大河弁護士と井戸弁護士が、
プロジェクターを使って、プレゼンテーション。
大河弁護士は、
「原発事故の被害の甚大性,能登半島地震の教訓」
と題して、
福島第1原発の事故の時の様子、
避難の様子、今なお残る被災者の
苦しみ、悲しみ…等々、話されました。
助けを求める子どもの声を聞きながら、
避難指示が出て助けられず、
1ヶ月後、子どもの遺体を運ぶことになった
消防職員の話…
避難先で、被曝がうつる、とイジメにあった
子どもの話…など、涙が出ました。
そして、能登半島地震では、
珠洲原発の立地予定地やその周辺が
家屋など壊滅的な被害を受け、
原発事故後の対応とされている
「屋内退避」もできない状態だったこと、
道路が陥没し、土砂が崩れ、
避難することもできない状態だったこと、
そのため、大地震によって原発事故が起きたら、
屋外で放射性物質にさらされ、
被曝を強いられることになる、
原発は動かすべきで無い、と話されました。
また、井戸弁護士は、
「司法審査のあり方」と題して、
この間の原発訴訟について話されました。
原発訴訟の判断の枠組みについて
影響を与えているのが伊方最高裁判決。
「被告行政庁の側において・・・
不合理な点のないことを
相当の根拠、資料に基づき主張、立証する必要があり,
被告行政庁が主張、立証を尽くさない場合には、
被告行政庁がした判断に不合理な点があることが
事実上推認される」と、1段階方式だった。
ところが、その後の訴訟で、2段階方式となり、
伊方判決の反対、180度違うもので、
原告側に立証責任が課せられることとなった。
こうした中、
福島第1原発の事故が起き、変わった。
宮崎支部の川内原発仮処分即時抗告で、
1段階方式に戻り、
その後、1段階論を採用した
裁判例が続いてきた。
ところが、福井地裁の決定は、
再び、2段階方式に戻った決定。
覆させなくても良いはずなのに、
求めている…等々。
立証責任、推認、本証、反証…などなど、
専門用語がいっぱい出てきて、かなり難しい…
でも、なんとなくわかりました。
その後、関電側からは、その場での反論はなく…
何となく、拍子抜け…?
こちら側からは、申立書、理由書など
60点に及ぶ書類を出しているのですが、
それに対して、関電側は、
9月末までに、反論書を提出するということで、
次回期日は11月1日、と決まって
第1回審尋期日は終わりました。
次回は、ちょうど、東京で
原発立地自治体の議会の原子力サミットがあり、
出席できず、残念です。
さて、せっかくの金沢でしたが、
みんなでバスで行ったので、
裁判所を出て、買い物も観光もできず…
ステキなお店をバスの窓から見て、
今度、観光で行きたいなぁ〜と、
思いながら帰りました。